2021年7月15日
インドネシア・ジャカルタ:世界的な森林認証機関である森林管理協議会(FSC)がインドネシアのパプア州と北マルク州で操業する韓国・インドネシア系の悪名高い伐採・パーム油コングロマリットであるコリンド・グループの認証を取り消すことを決定したことをFSCの国際事務局長とコリンド社が認めた。
2017年にマイティー・アースが申し立てを行い、インドネシア、韓国および世界中の複数の団体が同社の悪事を暴露するために取り組んだ後に今回の決定が行われた。
マイティー・アースのアドボカシー担当アンニサ・ラフマワティ氏は、「FSCがコリンド社を追放したことは、同社が持続可能性を追求していると大げさな主張をしているにもかかわらず、21世紀の環境に配慮した責任あるビジネスの基本的な基準を満たすために重い腰を上げることができないことを証明している」と述べた。「FSCの決定は、グリーンウォッシュや法的な脅しを利用して森林を破壊し先住民族の権利を平気で踏みにじることができると考えている企業への警告となるだろう。」
FSC苦情処理委員会は、コリンド社が過去5年間に3万ヘクタール(サッカー場4万2千個分)以上の熱帯雨林を破壊し、FSC基準に反して先住民族の伝統的権利や人権を侵害してきたと認定した。パプア州にはインドネシア最大の手付かずの熱帯雨林があり、それは世界の気候にとって最も重要な地形のひとつとなっている。
それにもかかわらず、FSCはコリンド社と「条件付きで関係」を維持し、コリンド社に改善と是正措置の実施を求めていた。コリンド社が独立機関によるコンプライアンス検証の手続きに同意しなかったため、FSCの国際事務局長は本日、同社との関係を断絶すると発表した。
FSC国際事務局長のキム・カールステンセン氏は、今回の除名に関するBBCの記事の中で、「コリンド社の社会・環境パフォーマンスの改善を確認することができなかった」と述べた。 コリンド社は今回の決定についての声明の中で、認証の再取得を目指すと述べた。
「FSCはコリンド社が広大な森林破壊と先住民族の権利侵害によってFSCのポリシーに違反していたと判定したにもかかわらず、コリンド社は自らの行為の重大性について誤った情報を流し続け、FSCとの関係継続を自らの悪習をグリーンウォッシュするために利用してきた」とラフマワティ氏は述べた。「今日の発表で、コリンド社はもうFSCの後ろに隠れることはできなくなる。」
コリンド社は、FSCに対する義務を果たさないだけでなく、同社の悪事を暴き、是正を求めて活動してきた市民社会組織に対して、ドイツで口封じ訴訟(SLAPP)を起こし、批判者を黙らせようとしてきた。その結果、Coalition Against SLAPPs in Europe(欧州口封じ訴訟反対連合、CASE) が選抜した著名な欧州議会議員やNGO専門家の審査員団が 「International Bully of the Year」(今年世界で最も弱いものいじめした企業)という称号をコリンド・グループに授与した。
「コリンド社は明らかに誠意を持って行動していない。コリンド社がFSC基準の違反に対処するために環境と人権のパフォーマンスを改善することを真剣に考えているのであれば、破壊した森林の生息地を復元し、影響を受けたパプアの先住民族コミュニティに賠償金を支払い、同社の悪事に立ち向かおうとした市民社会グループに対する法的嫌がらせをやめるべきだ」と韓国環境運動連合のキャンペーン担当Hye Lyn Kim氏は語る。
コリンド社の影響を受けているコミュニティに関する調査でマイティー・アースが撮った高画質の写真とビデオは、こちらからダウンロード。