プレスリリース
大手工業企業・市民社会団体による、
重工業における脱炭素化に向けた新たな国際的枠組みのサポート
2021年2月25日
政治家に、新型コロナウイルス感染症からの景気回復計画の一環として重工業の脱炭素化を求める初の世界的な枠組みが、本日発表されました。この国際的な重工業における脱炭素化の枠組みの原則は、以下の市民社会団体や大手工業企業から支持を得ています。
Alliance for an Energy Efficient Economy (インド)、Aldersgate Group (欧州)、Architecture 2030 (米国)、Carbon Leadership Forum (北米)、Clean Energy Canada、Corporate Leaders Group (欧州)、Envision (中国)、Global Efficiency Intelligence (米国)、Global Energy Monitor (米国・世界各国)、Godrej Industries (インド)、United Nations High Level Champions、Jinko Solar (中国)、JSW Energy (インド)、JSW Cement、LanzaTech (米国)、Mahindra Group (インド)、Smart Energy Council (オーストラリア)、Solutions for Our Climate (韓国)、Tata Steel (インド)。
この枠組みを正式に支持することで、これらの影響力のある団体や企業は業界を超えて集結し、温暖化の1.5°C.への抑制を含むパリ条約の目標に沿った、重工業における早急な脱炭素化の加速と拡大の必要性を共に指摘しています。
国際非営利団体Climate Groupとキャンペーン団体Mighty Earthにより確立された重工業における脱炭素化に向けた国際的枠組みの原則(英語、日本語)は、業界の専門家との密接な協力のうえで作成されました。一般公開された国際的なガイダンスにより、世界各国の鉄鋼、セメント、化学薬品などの重工業が1.5°Cの気候変動目標に沿った形で経済成長を促進するための明確なステップが提示されたのは、今回が初です。
この枠組みは6つの基本原則を定めたもので、それぞれが政治家による鉄鋼、セメント、化学薬品などの重工業における脱炭素化の成功をサポートする、基礎的な指針となっています。これらの指針には、排出ガス削減計画と重工業への公的資金の結び付けや、産業プロセスにおける化石燃料の使用を段階的に排除するための低炭素およびゼロ炭素技術への投資の優先化などが挙げられます。
Climate Group のエネルギー生産性イニシアティブ責任者、Jenny Chu 氏は次のように述べました。「新型コロナウイルス感染症の流行により、世界的な産業経済を改善するための変革や新たな発想が早急に求められるようになりました。この枠組みを調整し、非効率的で炭素排出量の多い産業資本への固着を避けるには、時間が限られています。世界中のリーダー達は、業界がひとつとなって動き、持続可能で公正かつ健全な産業の未来を実現するための競争が生まれるよう、協力と調整を行いながら、これらの原則を早急に行動に移す必要があります」
マイティ・アースのキャンペーンディレクター、Margaret Hansbrough氏は次のように述べました。「ここ数か月の間、鉄鋼やセメントなどの重工業企業から、ネットゼロ・カーボンニュートラルへのコミットメントが予想外に相次いで見られました。この枠組みによりこれらの企業や市民社会団体は、1.5°Cを超える温暖化から地球を守り、これらの気候へのコミットメントをかつてないほどの緊急性と行動を持って実現するために、真剣かつ協力的な政策措置に直ちに取り組む準備ができていることを、世界中の政治家達に明確に伝えています。ぜひ行動に移したいものです」
COP26ハイレベルチャンピオンのNigel Topping・Gonzalo Munoz両氏は、次のように述べました。「この方針の枠組みは、世界中の産業経済が何百万人もの生活を取り戻し、パンデミックによる不要な死を防ぎ、我々全員の生活がかかっている気候の緊急事態と戦おうと取り組んでいる今正にこの瞬間、積極的な目標を定め、緊急性を高める強力なツールとなり、歓迎すべきものです」
JSW EnergyのJMD/CEO、Prashant Jain氏は次のように述べました。「重工業における国際的枠組みの原則をサポートできることを光栄に思っています。産業により排出される温室効果ガスは地球全体の 3 分の 1 近くにも昇るため、地球温暖化を 1.5°C に抑えるための脱炭素化の取り組みを集中させるべき重要な分野です。JSW Energyでは、2050年までにカーボンニュートラルを実現させることを目指しており、Science Based Target イニシアティブの一環として科学に基づく目標を定めています」
LanzaTech, Inc. CEO、Jennifer Holmgren博士は次のように述べました。「LanzaTechは、米国に本社を置く革新的な企業です。重工業や航空業界をはじめとする必要不可欠な業界向けの炭素リサイクルソリューションを開発し、給与の高い雇用を生み出し、維持しています。地球を生物が生きられる環境に保つためには、弊社のような企業が専門知識と影響力を活かし、お互いに繋がり合った世界各国で最も効果的な気候政策を求めていくことが必要とされています。弊社は、世界中の企業や市民社会が重工業における脱炭素化に関する明確な方針の枠組みを制定するこの取り組みに参加できることを喜ばしく思い、バイデン・ハリス政権をはじめとする世界的なリーダー達と気候対策における重要な分野で協力できることに期待しています」
重工業は全エネルギーの約3分の1を消費し、全世界の温室効果ガス排出量の約4分の 1を占めています。そのため、脱炭素化の取り組みで重点を置くべき重要な分野となります。しかし、政治家達はまだ、自国の重工業における低炭素排出量での経済回復の方針を定めるどころか、それを気候政策の最優先事項にもしていません。今後数か月間にわたり、欧州、中国、日本、韓国、インド、北米で経済回復と気候政策について議論が行われる中、Climate Group、Mighty Earth、およびこれらの提携団体は、政治およびビジネスにおけるリーダー達にこの国際的な枠組みを受け入れるよう求めていく方針です。
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Mighty Earthについて
マイティ・アースは、森林や海を守り、気候の変化に対処することに取り組んでいる国際環境キャンペーン団体です。当団体は、東南アジア、中南米、アフリカ、北米で、自然生態系や野生動物、水を守り、地域の権利を尊重し環境に配慮した農業を実現するため、大規模な取り組みを推進しています。マイティ・アースのチームは、世界最大規模の食品・農業企業に対し、環境および社会的方針・慣行の大幅な改善を求めるうえで重要な役割を果たしてきました。マイティ・アースに関する詳細はwww.mightyearth.org/ をご覧ください。
Climate Groupについて
Climate Group は迅速な気候対策を推進しています。当グループでは、2050 年までに炭素排出量をネットゼロにし、誰もがより繁栄できる世界を作ることを目指しています。そのために、排出量の最も多いシステムと、我々のネットワークが変化をもたらす最も大きなチャンスが秘められた分野に焦点を当てています。大規模で影響力の高いネットワークを築き、各組織が責任を持ち、コミットメントを行動に移すようにすることで、この目標に向け取り組んでいます。当グループではより多くの組織に可能性を認識してもらうため、活動の成果を公開しています。当グループは 2004 年に設立された国際非営利団体で、ロンドン、ニューデリー、ニューヨークにオフィスを構えています。また、We Mean Business 連合の加盟団体であることを誇りに思っています。Twitter: @ClimateGroup